なむあみだ仏は徳が高いアニメ

なむあみだ仏!を見てください。 正直、そんなにクオリティには期待していなかった。今日も梵納寺は花丸!みたいなノリで、イケメン仏たちがわいわいするまんがタイムきららだと思っていた。7話でそんな甘い認識は打ち砕かれた。私達が見ていたものはなむあみ☆だぶつっ!ではなく手塚治虫ブッダだったのである。

 

なむあみだ仏!はイケメンになった仏たちが、衆生の煩悩を浄化していく話だ。拠点である「梵納寺」、煩悩が跋扈する「現世」、ふたつを舞台にしてものがたりは進む。このなむあみだ仏、とにかく作画がいい。この作画のよさで繰り出されるシュール仏教ギャグが、なんかもうくせになる。そして話もおさまりがよく、仏教の教えとうまく絡められているのだ。仏によるガチ説教だし、押し付けがましさもないので素直に受け止められる。あとギャグのセンスが本当におかしい。まず二話ではなぜかデイトレードをしている仏、そして暴れ狂う象のうえにガチョウと共に飛び乗り騒ぎを収める仏を見た瞬間虜になってしまった。暴れ狂う象を乗りこなすイケメン、バーフバリでしか見たことない。3話では老人会に仏たちが潜入し、かれらの人間らしさと、青春の一端をみる。とてもいい話だったが、画面のどこを見てもジジババフェスティバルなのは女性向けアニメとして挑戦的だった。ちなみに仏たちももれなく老人に扮している。(そのままの姿で行くと徳が漏れ出て拝まれてしまい大変なことになるので) ほかにもラップをしたり、マンボをしたり、人間くさい仏たちの姿にはクスリと笑えるし、なんだか親近感もわく。ちなみに私はマンボがマジで理解できなくて距離が遠くなった気がした。

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なに?

 

ヌルヌルマンボって何? てか鼠径部出しすぎ。

 

そしてこのヌルヌルマンボの翌週、例の7話だ。7話では、とある仏の確執と過去に触れる。 舞台は蝗害により厳しい状況を強いられている村。どんよりと重たい空気の中、ほかの村人のぶんまで水をくみ、家畜に餌をやる少女がいた。彼女はだれよりも明るく、清新だった。しかし、彼女の父親は畑がだめになってから人が変わったようになり、少女を虐げていた。仏たちはそんな彼女を救いたいと画策するが……。

「救う者、救わない者、なぜ線を引く。なぜ救えるなどと思う」

この話に救いはない。なにもかも最悪な形で終わる。しかし絶対悪はいない。どういう結末かは、ぜひ自分の目で確かめてほしい。6/2まで各種動画サイトで無料、Amazonプライムなら全話無料配信中!

マンボは!?!?と言いたいくらいに壮絶な回だった。まんがタ仏きららのノリしか知らなかった視聴者たちは「hotoke/zero」「手塚治虫火の鳥」「メギド72」など口走りながら一様に救いを求めて死んでいった。しかも7話は通常のop・edカットで特殊edの劇場版仕様。次回予告前には「釈迦釈迦じゃんけん」というサザエさんリスペクトのじゃんけん企画があったのだが、それすらも無くあまりにもの温度差に釈迦釈迦じゃんけんをさせて……と真剣に願ってしまった。 同時になんとしてでも布教しなければ!!という熱意が生まれた。こんなに丁寧で、仏という題材でしかやれないような話をやってくれるアニメがイロモノ扱いで終わるのはもったいなさすぎる……!

 

そして、来たる9話。

 

寺が、燃えます。 いまなむあみだ仏!を履修するとリアルタイムで寺が燃えます!!

なむあみだ仏を、よろしくお願いします……。